経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」RSSRSS

経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」アイティメディア「@IT 自分戦略研究所」に同時連載中 経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」アイティメディア「@IT 自分戦略研究所」に同時連載中

バックナンバー

株式会社VSN エンジニアを、笑顔に。VSN 経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」アイティメディア「@IT 自分戦略研究所」に同時連載中

早くから理解しておきたい「老後のマネー・プラン」(1/2)

老後のマネー生活設計は、余裕を持たせて考えたい。一般的な会社員が、リタイアする場合に考えるべきマネー・プランの基本的な手順をご説明する。(2017.10.31)

「老後のお金」は不安ですか?

 20代から40代くらいの現役のビジネスパーソンに、「老後のお金に不安はありますか?何か対策はとっていますか?」といったアンケートを採ると、「何も対策をしていないし、不安だ」、或いは「何らかの対策はとっているけれども不安だ」という回答がそれぞれ30%から40%くらいになって、70%から80%くらいの人が、老後のお金に何らかの不安を持っている、といった結果が出る場合が多い。

 将来を正確に予想することは出来ないので、何に関しても不安を持つ人は一定数いると思われるが、それにしても、「老後のお金」に不安を持つ人は多い。本欄の主な読者であるエンジニア諸氏も、老後の生活設計を専門に研究されている方は少ないだろうから、「漠然と不安だ」という方が少なくないのではないだろうか。

 また、筆者は、そこかしこで、「老後にはいったい幾らお金があるといいのですか?」という質問を受けることが多い。よく聞く数字は、3000万円で、「3000万円あればいいのでしょうか?」という場合も、「3000万円なければまずいのでしょうか?」という質問もよくある。

 ちなみに、3000万円という数字は、ある研究機関が行ったアンケートから計算された平均的な数字で、FPなどもよく用いるものなのだが、そもそも所得・資産・生活レベルなどには大きな個人差があるので、率直に言って、あまり役に立たない。人によっては3000万円も要らないし(あっても邪魔にはならないが)、人によっては3000万円程度では全く足りない。

 以前に本連載で、「人生設計の基本公式」と題した、現役時代に必要な貯蓄率を計算する数式をご紹介したが、今回は、もう少し詳しく、老後のマネー生活設計のポイントをご説明する。エンジニア諸氏のために、今回も新しい数式をご紹介する。その式には、「老後設計の基本公式」と名付けてみた。老後の生活設計の方法が具体的に分かると、心配が減るのではないだろうか。

「老後設計の基本公式」とは

 今回ご紹介する「老後設計の基本公式」の中核は、老後に年金を貰うようになってから、その年金額に上乗せして継続的に取り崩す事が出来る金額(年額)を求める計算式だ。早速、見て頂こう。

 

(図1)老後設計の基本公式

 計算例を一つ見て頂こう。

(図2)金融資産を5000万円持っている60歳の退職者の例

 彼は、65歳支給開始の年金額が年間240万円あり、60歳から向こう3年は年間180万円稼げる程度に働き、最晩年には介護施設の入居一時金や余裕として持っていたいお金など2000万円欲しいと思っており、寿命を、少し余裕を見て95歳と想定している。この場合、年金額に上乗せして毎年継続的に取り崩す事が出来る金額は約66.86万円で、老後の生活費は月額にして約25万6千円と計算された。

次ページ:支給開始の繰り下げが得?公的年金の仕組み

バックナンバー

AIと働き方の考え方

AIと働き方の考え方(2017.11.30)

AI、ロボット等が発達し、置き換えられる仕事が増えていく。働く個人にとって重要で確実な対処法とは。

早くから理解しておきたい「老後のマネー・プラン」

早くから理解しておきたい「老後のマネー・プラン」(2017.10.31)

老後のマネー生活設計は、余裕を持たせて考えたい。一般的な会社員が、リタイアする場合に考えるべきマネー・プランの基本的な手順をご説明する。

働くエンジニアは「子供」についてどう考えるか

働くエンジニアは「子供」についてどう考えるか(2017.9.29)

子供を持つか、持たないか。持つならば「何時」持つか。教育費や、いつか子育てが終わることも視野に入れ、「子供」について考察する。

職場の先輩との「差の詰め方」と「追い抜き方」

職場の先輩との「差の詰め方」と「追い抜き方」(2017.8.31)

多くのビジネスパーソンの能力的成長は30代前半で止まる。なるべく早く、将来にプラスとなるような時間と努力の投資を行いたい。

時間の無駄への対処法

時間の無駄への対処法(2017.7.31)

「これは、時間の無駄だ」と感じた時、有効な時間の判定基準を知っていれば、被害を最小限に抑えて対処することができる。

バックナンバーの続きを見る

著者プロフィール

山崎 元(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。

2014年4月より、株式会社VSN エンジニア採用Webサイトにて「エンジニアの生きる道」を連載中。

/engineer/company/engineers-way/engineers-way44.html

copyright (c) VSN, Inc. All Rights Reserved.