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時間の無駄への対処法(1/2)

「これは、時間の無駄だ」と感じた時、有効な時間の判定基準を知っていれば、被害を最小限に抑えて対処することができる。(2017.07.31)

有効な時間の判別基準

 サラリーマンとして働いたことのある人で、仕事中に、「これは時間の無駄だ」と感じたことのない人はいないのではないか。

 因みに、「サラリーマン」を「ビジネスパーソン」にまで範囲を拡げてもいいようにも思うが、ビジネスパーソンの中には、強度に自己中心的で同時に並外れて自己肯定的な経営者が含まれるので、この種の社長さんの中には、「私の人生時間には、1秒の無駄もなかった」と言い張る人がいる心配があるから、対象をサラリーマンに限定した。エンジニア読者は、論理に厳密なので、例外が一つでもあると、許して貰えまいから、慎重な書き出しにした。

 それでは、常識的且つサラリーマンである人にとって、仕事の場面で、無駄な時間はどのように定義されるのだろうか。

 この問題には、おそらく、有効な時間の過ごし方の判断基準を作って、その基準に該当しない時間を無駄な時間と判断することで対処するのが良さそうだ。そこで、早速、作ってみた「有効な時間」の判定基準が以下のものだ。基準は4つに集約された。

【有効な時間の判定基準】
(基準1)直接お金を稼いでいる時間
(基準2)物事を決断するために必要な調査の時間
(基準3)自分にスキル(職業上の知識や技術)が身に着いている時間
(基準4)それ自体が娯楽のように楽しい時間

 全てのサラリーマンは、これらの何れにも該当しない時間を、「無駄な時間」だと考えることにしたらいい。

 例えば、クライアントに対して有料でコンサルティングしている時間は有効な時間だ。また、例えば、投資するかも知れない候補先について調べている時間は必要な時間だろう。

 また、会社にとって無駄なのだろうと思える会議でも、自分が知らない知識や情報を数多く得られる会議なら、自分にとってはスキルを改善してくれる有り難い機会だ。そして、もちろん、仕事が心から楽しい場合には、その時間に対して文句を言う必要はない。

基本は「その場からいなくなる」

 もちろん、読者の多くがご存知のように、現実のオフィスにはこれらの4条件のどれにも該当しない時間が多々ある。

 典型的な時間の無駄は、有益な情報を得られる訳でもないし、何かを決定するわけでもない会議だろう。一応顔を出さなければならないと思うし、そこに居ないとチームワークを乱すとみなされかねないし、仕方なしに自分の貴重な時間を差し出す思いで会議に出席する、というような場合があろう。あるいは上司が帰るまで職場で時間を潰さなければならない雰囲気の職場で、時間潰しをしなければならないといった付き合い残業も無駄な時間だ。

 筆者の場合、無駄な時間で思い出すのはもっぱら会議の場面だ。筆者はお金の運用の仕事(いわゆる「ファンドマネージャー」)が長かったが、運用会社あるいは金融機関の運用部門は概して会議好きで、会議を中心に仕事の流れが組み立てられている場合が多かった。しかし、運用の仕事の場合、実際にリターンを稼ぎ出すのは投資している株式や債券だし、運用成果に影響を与える作業は、一人でコンピューターでデータを操作しながらあれこれ考える時間である。会議は全くありがたくない。

 しかも、会議を通じて得られる知識は少なかったと記憶しているし、会議の出席者の何れにとっても、例えば将来の株価は分からないので、将来の可能性のあれこれについて参加者がだらだらと語って、結局何も決まらない、といった会議が多かった。

 ある時に自分で司会を務めた際、冒頭に、「本日は、会議の能率を上げるために、指示でも、情報でも、意見でもない、単なる感想を話すことをご遠慮頂きたいと思います。発言は、指示なのか、情報なのか、自分の意見なのか、を明確にして簡潔にお願いします」と言ったところ、会議があっという間に終わって上手く行ったことがあったが、毎回毎回こうした手が使える訳ではない。

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「これは、時間の無駄だ」と感じた時、有効な時間の判定基準を知っていれば、被害を最小限に抑えて対処することができる。

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著者プロフィール

山崎 元(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。

2014年4月より、株式会社VSN エンジニア採用Webサイトにて「エンジニアの生きる道」を連載中。

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