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エンジニアも知っておきたい確定拠出年金の正しい使い方(1/2)

老後に備えるべき貯蓄額を計算し、将来に備えているだろうか。今回は、有利な年金制度について紹介する。(2017.05.31)

「イデコ」を知っていますか?

 昨年、法律の改正があって、対象者が大幅に拡がったこともあって、個人型の確定拠出年金が話題になっている。「イデコ」(表記は「iDeCo」)という愛称が決まり、一部の金融機関には申し込みが殺到している。

 本連載をお読み頂いているエンジニア諸氏は、確定拠出年金を利用されているだろうか。

 確定拠出年金には、企業が単位となって制度を提供する「企業型」と、個人が独自に申し込む「個人型」の2種類がある。それぞれ、個人の年金に関する現状によって、使える年金制度と利用の限度額に違いがある。

 例えば、読者がフリーランスであれば、個人型の確定拠出年金が月額6万8千円、年間81万6千円まで使えるし、会社に独自の年金制度が無く厚生年金にだけ加入しているサラリーマンなら月額2万3千円、年額27万6千円まで同じく個人型の確定拠出年金が使える。

 また、大手の企業にお勤めの方に多いが、会社で企業型の確定拠出年金が導入されている場合があり、各社の規約にもよるが、利用の上限は、月額が5万5千円、年額66万円まで、企業型の確定拠出年金を使うことが出来る。社内で説明会などに出席して、既に使い始めておられる読者もいらっしゃるのではないだろうか。

 確定拠出年金は、用意されたメニューの中から個人が自分で運用商品を選んで資産を運用して、将来(原則60歳以降に)、一時金ないしは年金払いでお金を受け取る仕組みだ。自分で行う老後への備えだが、働いていて課税される所得のある方にはかなり有利な仕組みなので、ご自身で利用可能な最大限まで使うことをお勧めする。

 エンジニアは、理屈と計算が分かると納得してくれると思うので、以下の拙文では、確定拠出年金の「正しい」(=経済的に最も得な!)利用方法をご説明しよう。

確定拠出年金利用の3原則

 確定拠出年金の正しい利用方法を3原則にまとめてみたので、ご紹介する。

【確定拠出年金利用の3原則】
(1) 利用できる最大限の金額を利用する
(2) 低コスト(手数料)な金融機関・運用商品を選ぶ
(3) 「外国株式(先進国株式)のインデックス・ファンド」から考える

(1)利用できる最大限の金額を利用する

 先ず、できるだけ大きな金額で利用したらいいという理由は、確定拠出年金の掛け金(積み立てるお金)は、所得税・住民税の対象にならないので(「所得控除」と呼ぶ)、確実な節税効果を得ながら将来に備えることが出来るからだ。

 例えば、年収500万円の会社員が、個人型確定拠出年金を月額2万3千円まで利用した場合、所得税率が20%、住民税率を10%とすると、年間約8万2千円の税金を節約することができる。これは、見逃せない得である。

 加えて、「最大限」がいい理由をもう一つ付け加えると、通常の所得の会社員やフリーランスがそれぞれ老後に備えて貯めなければならない金額を計算すると、確定拠出年金で制度的に利用できる上限を上回ることが多いことが挙げられる。原則として60歳まで資産を引き出すことが出来ない不自由さはあるが、そもそも老後に備えるべき貯蓄額が、確定拠出年金で積立てられる額よりもかなり大きいのだから、必要貯蓄額をまず税金面でメリットのある「最も得な置き場所」に割り当てることが合理的だということになる。

 確定拠出年金の掛け金は、毎年変更することができる。個々人の懐事情で利用可能な掛け金はまちまちかもしれないが、なるべく大きな額で利用するのがいいと申し上げておく。

次ページ:3原則の2つ目は「低コスト(手数料)な金融機関・運用商品を選ぶ」

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著者プロフィール

山崎 元(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。

2014年4月より、株式会社VSN エンジニア採用Webサイトにて「エンジニアの生きる道」を連載中。

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