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SNS時代の「悪意」との付き合い方(1/2)

インターネットのコミュニケーションが発達した昨今、予想もしない方向から悪口や敵意むき出しのコメントが飛んでくることがある。こうした悪意に対し、どのように付き合うべきか考えてみたい。(2016.11.30)

見えやすくなった「悪意」

 インターネットのコミュニケーションが発達し、特に、フェイスブック、ツイッター、ライン、ブログなどのいわゆるSNSを通じて、自分に対する他人の悪意に思いもかけずに触れるケースが増えて来た。

 かつてであれば、自分に対する悪口は、陰で言われている気配があっても、直接耳に入ってくることが少なかったし、無視してやり過ごすことが容易だった。しかし、SNSのコミュニケーションにあっては、いきなり敵意むき出しのコメントが予想もしない方向から飛んでくることがある。

 本稿の主な読者であるエンジニア諸氏は、ネットとの距離が近い方が多いので、思わぬ攻撃を受けて戸惑った経験のある方が少なくないのではないか。

 日本のSNSは、かなり広い範囲で匿名を認めているので、正体の分からない第三者から、「バカ!」とか「こんなことも分かっていないのか(笑)」といった、激しい言葉が浴びせられることもある。

 また、フェイスブックのような実名が基本のメディアでも、明らかに自分を対象とした反感が書き込まれていて、心が波立つことがある。

 こうした、「悪意」とどのように付き合ったらいいのだろうか。

 筆者の思うに、悪意との付き合い方には、2つの要点がある。
(1)悪意を浴び慣れることと、
(2)自分の側の悪意を上手にコントロールすること、だ。

「悪意」に慣れることのメリット

 SNSで悪意のあるメッセージを受け取った場合、精神的には「いやな感じ」、「ネガティブな影響」を受けるのが、先ずは自然な反応だ。かなり有名な方でも、繊細な人の場合、「心が折れる」と吐露される方もいる。自分に取って悪い意味で気になることの影響を重く見て、それ以上の悪意のメッセージが届かぬように、相手を「ブロック」して、今後、悪意に晒されないようにしようとする人が少なくない。

 その気持ちは分からなくもないのだが、しばし、客観的に考えてみて欲しい。
 相手をブロックして、自分に対する悪意を見えなくしてしまうと、何が起こるだろうか。逆に、悪意を浴びることに「慣れ」を持ち、自分に対する悪意を見ることで何がもたらされるだろうか。

 筆者は、精神的に耐え難いレベルのものについてはブロックしても構わないとは思うが、自分に向けられた悪意を浴びることに慣れることの方が、メリットが大きい場合が多いと考えている。

 理由を三つ述べよう。

 一つには、悪意も見ておくことで、単純に情報量が増える。例えば、悪意のメッセージの発信者をブロックしてしまうと、彼(彼女)がどのような情報を発信しているのかが分からなくなってしまうので、最悪の場合、世間に対して自分が致命的に貶められていることに気づかないことが起こり得る。不愉快ではあっても、世の中で起きていることを直視できる精神の強さは重要だ。

 第二に、悪意のメッセージであっても、自分が気づかなかった自分の議論の弱点や、世間が自分をどう見ているかについて、プラスになる「気づき」が得られる場合がある。相手は悪意を向けてきた積もりなのだが、それが当方のいわば栄養になるのだから、先方にとっては間抜けな話だ。ありがたく活用するといい。

 そして、第三のメリットは、悪意のメッセージが喚起してくれる「闘志」だ。自分が上手くやることによって、「あいつ(ら)を、悔しがらせてやろう」という感情は、やる気の元になる。結果的にプラスに働くことがある。

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著者プロフィール

山崎 元(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。

2014年4月より、株式会社VSN エンジニア採用Webサイトにて「エンジニアの生きる道」を連載中。

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