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「社内の噂」への対処法(1/2)

他愛のないものから深刻な内容のものまで、社内の噂にもいろいろある。こうした噂の対象者になってしまったら、どのように対処すべきか。適切な方法を考えてみたい。(2016.10.31)

噂には「出所」と「目的」が必ずある

 ある程度以上の大きさの会社組織で仕事をしていると、社内の「噂」に悩まされることが、しばしばある。例えば、「○○は、隣の部の××さんと恋愛関係にあるらしい」といった他愛のないものもあれば、「○○は、上司の××さんを飛ばそうと画策しているらしい」、「○○は、社内の反対派閥と裏で手を握ろうとしているらしい」、「○○は、業務上の秘密を他社に横流ししているらしい」といった内容が深刻なものもある。

 迷惑なことに、こうした噂の対象者になることは、どのような仕事の誰にでも起こり得る。エンジニア読者も社内の噂で悩む場合があるはずだ。エンジニアであって社内の派閥争いに巻き込まれることはあるだろうし、一般に専門家は同業の専門家に対して嫉妬深いので(学者同士の嫉妬などが典型的だ)、同僚に不満を持ったり、ライバル心を持ったりすることがあるはずなので、エンジニアはむしろ噂が発生しやすい職種かも知れない。

 噂は、困ったことに、最初に対象とされる本人の下に届くのではなく、他人同士の間を駆け巡り、そのうちに本人が気付く場合が多い。しかも、通常は、本人が関係者全てに対して噂の内容を話題にしてこれを否定することは、そもそも不自然であり、しばしば逆効果でもある。社内の噂にどう対処したらいいかは、あらかじめ知っておく方がいい。

 噂への対策を立てる上で、先ず知っておきたいのは、噂には、必ず噂の「出所」になっている人物がいて、その人物には噂を流す「目的」が存在することだ。そして、目的は、大きく「悪意」と「単なる愉快」とに大別できる。これらのどちらであるのか、また、誰が噂の出所なのかを、静かに観察し推測することが、噂への対策の第一歩だ。

 通常、単なる愉快が目的である場合は、噂の当事者となった自分が、噂の発生源である人物の面白がるような反応を示さなければ、時間と共に噂は沈静化する。余程困る内容でない限りは、放置が正解になることが多い。

 一方、悪意から発生した噂の場合は、周到に計算された、第二弾、第三弾の噂が流れてくることがあるので、厄介だ。

噂の力学三原則

 噂とは、大凡は紙ヒコーキのようなもので、その振る舞いには、三つの原則がある。

 第一の原則は、「噂は、裏付けになる事実が無いと活力が低下して行く」ということだ。誤解に基づく噂話の場合、当初は、これを面白いと思う人の間を巡るとしても、その噂の信憑性が一向に強化されない場合、噂としての面白みが無くなるので、やがて話されなくなる。無風の中の紙ヒコーキは、徐々に高度が下がり、やがては地面に落ちる。

 事実を伴わない社内恋愛の噂のようなものの場合、現実に何も起きずに、噂に対しては、本人がつまらなそうに淡々と否定していれば、やがて噂は消える。

 第二の原則は、「噂は、当人の反応があると活力を増す」ということだ。他愛の無い話でも、人事などが絡む深刻な話でも、噂の対処となっている人物が大きな反応を見せると、噂の発生源となっている人物だけでなく、聞いた話を別のメンバーに話しているだけの人々にとっても、俄然やる気が出てしまう。紙ヒコーキも、風によって舞い上がることがある。

 また、過剰な反応それ自体が、噂の信憑性を強化する場合があるので、気をつけたい。反応に対する心構えを一言で言うなら「つまらなそうな顔をして、明確に否定する」ということだ。否定と肯定の区別が曖昧だと、「否定しなかったということは、肯定したのと同じだ」と解釈される場合がある。

次ページ:噂の内容が真実の場合は、否定し続けるべきか? 認めるべきか?

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著者プロフィール

山崎 元(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役、獨協大学経済学部特任教授。

2014年4月より、株式会社VSN エンジニア採用Webサイトにて「エンジニアの生きる道」を連載中。

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